競売で土地を買うメリットと怖さ
土地は建物と違って「雨漏り」や「シロアリ」の心配がありません。その分、競売初心者でも手が出しやすいと思われがちです。実際、更地なら物件の状態を外から確認しやすく、リフォーム費用の見積もりも不要です。
でも、土地には土地の落とし穴があります。「建物が建てられない土地」を安いと思って買ってしまう失敗が後を絶ちません。接道義務を満たさない、市街化調整区域で建築不可、地目が農地で転用できない――こうしたケースは、3点セットを読めば防げます。
接道義務:道路に2m接していないと建てられない
建築基準法では、建物を建てるには「幅員4m以上の道路に2m以上接していること」が必要です(接道義務)。これを満たさない土地は「再建築不可」となり、建物を新築できません。
厄介なのは、見た目は道路に面しているように見えても、建築基準法上の「道路」に該当しないケースがあること。私道や通路は「道路」とは限りません。評価書に「接道なし」「建築不可」の記載がないか、必ず確認してください。
3点セットの評価書にある「接道状況」の欄は最重要チェック項目。「接道なし」「2m未満」の記載があれば、再建築不可の可能性が高いです。
市街化調整区域に注意
日本の都市計画では、土地が「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれています。市街化調整区域は原則として建物の建築が制限されるエリアです。
競売で出てくる格安の広い土地は、この調整区域に該当することが多いです。「500坪で300万円」のような破格の物件を見つけたら、都市計画区域を真っ先に確認しましょう。自治体のウェブサイトで都市計画図を閲覧できます。
地目と農地法の壁
登記簿上の「地目」が「田」や「畑」になっている土地は、農地法の規制を受けます。農地を宅地に転用するには農業委員会の許可が必要で、許可が下りないケースも少なくありません。
特に注意したいのは、3点セットの評価書では「宅地見込み」として評価されているのに、実際には農地転用の許可が得られないパターンです。評価書の前提条件をよく読み、「農地転用許可を条件とする」といった記載がないか確認しましょう。
土壌汚染・埋設物のリスク
工場跡地やガソリンスタンド跡地などは、土壌汚染の可能性があります。汚染が判明すると、除去費用は数百万〜数千万円になることも。競売では瑕疵担保責任がないので、土壌汚染の費用はすべて買主負担です。
3点セットの現況調査報告書に「工場」「作業場」等の過去の利用履歴が記載されていたら要注意。自治体の環境部局で土壌汚染の届出があるか調べることもできます。
「安い土地には理由がある」が鉄則。接道・都市計画・地目・土壌汚染の4点を確認すれば、致命的な失敗はほぼ防げます。
境界が不明確な土地
競売物件では、隣地との境界が確定していないことがよくあります。通常の売買なら売主が確定測量を行いますが、競売にはそのような義務がありません。
境界が不明確なまま購入すると、後で隣地所有者とトラブルになるリスクがあります。落札後に確定測量を行う費用(30〜80万円程度)も予算に織り込んでおきましょう。
まとめ
競売で土地を買うときは、「安さ」に飛びつく前に接道義務・都市計画区域・地目・土壌汚染・境界の5項目を必ず確認してください。これらは3点セットと自治体への問い合わせで調べられます。
3点セットの具体的な読み方は3点セットの読み方ガイドを参考に。入札額の決め方は入札額の決め方で解説しています。競売・公売ポータルで希望エリアの土地を検索してみてください。