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費用

競売にかかる費用の全て|保証金・税金・諸経費

入札保証金、残代金、登録免許税、不動産取得税、リフォーム費用まで。トータルコストを事前に把握しましょう。

読了目安 7分
結論:競売物件の取得には落札価格のほか、登録免許税・不動産取得税・リフォーム費用など約20〜30%の諸経費が発生します。仲介手数料が不要な分トータルではお得ですが、事前にすべての費目を把握した資金計画が必須です。

競売物件は市場価格より安く取得できる可能性がありますが、落札価額以外にもさまざまな費用が発生します。事前にトータルコストを正確に把握しておくことが、競売で失敗しないための鉄則です。ここでは、費目ごとに詳しく解説します。

入札保証金

入札に参加するために必要な保証金です。売却基準価額の20%が必要で、入札前に裁判所が指定する口座に振り込みます。

  • 金額:売却基準価額の20%
  • 振込時期:入札期間開始前
  • 落札した場合:代金の一部に充当される
  • 落札できなかった場合:全額返金される(通常1〜2週間後)

例えば、売却基準価額が1,500万円の物件であれば、入札保証金は300万円です。この金額を一時的に用意する必要があるため、事前の資金準備が重要になります。なお、入札保証金は現金による振込のみ対応しており、小切手やクレジットカードでの支払いはできません。

残代金(落札価額 - 保証金)

落札後に納付する残りの代金です。落札価額から既に支払った入札保証金を差し引いた金額を、裁判所が定めた期限内に納付します。

  • 金額:落札価額 - 入札保証金
  • 納付期限:売却許可決定の確定から約1か月以内
  • 納付方法:裁判所指定の口座への振込

期限内に納付できない場合、入札保証金は没収され、物件を取得する権利も失います。住宅ローンを利用する場合は、事前に金融機関と十分に調整しておくことが必須です。詳しくは競売物件のリスクと回避方法も参照してください。

登録免許税

所有権移転登記にかかる国税です。裁判所の嘱託により登記が行われるため、通常の売買のように司法書士に依頼する必要はありませんが、登録免許税は買受人の負担です。

不動産の種類税率(原則)軽減税率(住宅用)
土地固定資産税評価額の2.0%1.5%(軽減措置適用時)
建物(住宅)固定資産税評価額の2.0%0.3%(一定要件を満たす場合)

軽減税率の適用を受けるには、自己の居住用であること、床面積が50平方メートル以上であることなどの要件があります。代金納付時に、裁判所に登録免許税分もあわせて納める必要があるため、事前に計算しておきましょう。

不動産取得税

不動産を取得した際に一度だけ課される都道府県税です。競売による取得も通常の売買と同様に課税対象となります。

不動産の種類税率課税標準
土地3%(軽減後)固定資産税評価額の1/2
住宅用建物3%固定資産税評価額
住宅用以外の建物4%固定資産税評価額

不動産取得税は、取得後数か月〜半年後に都道府県から納税通知書が届きます。代金納付時にはまだ請求されないため、忘れがちな費目ですが、金額が大きくなる場合があるため必ず予算に組み込んでおきましょう。

なお、一定の要件を満たす住宅については軽減措置が適用される場合があります。新築の場合は1,200万円の控除、中古住宅の場合も築年数に応じた控除が受けられます。

固定資産税の精算

通常の不動産売買では、固定資産税を売主と買主で日割り精算しますが、競売ではこの精算は行われません。つまり、年途中で物件を取得した場合でも、その年度分の固定資産税は前所有者に課税されたままとなります。

ただし、翌年度以降は新所有者(買受人)に固定資産税が課税されます。取得時期によっては、最初の年度は精算不要で得をするケースもありますが、翌年度からの税負担は考慮しておく必要があります。

  • 競売では固定資産税の日割り精算は不要
  • 翌年1月1日時点の所有者に対して課税される
  • 年間の税額は固定資産税評価額の約1.4%(標準税率)
  • 都市計画税(0.3%程度)も加算される地域が多い

リフォーム費用

競売物件は現状有姿(あるがままの状態)での引渡しとなるため、多くの場合リフォームが必要です。内覧ができないため正確な見積もりが難しいですが、一般的な相場を把握しておきましょう。

工事内容費用目安
クロス(壁紙)張替え30万〜80万円
フローリング張替え40万〜100万円
キッチン交換60万〜200万円
浴室リフォーム70万〜150万円
トイレ交換15万〜40万円
外壁塗装80万〜200万円
屋根補修・塗装50万〜200万円
残置物撤去20万〜80万円
フルリフォーム(戸建て)500万〜1,500万円

リフォーム費用は物件の築年数、構造、状態によって大きく異なります。3点セットの写真から状態を推測し、リフォーム業者に相談して概算を出しておくことをおすすめします。予算には想定額の2〜3割増しの余裕を持たせるのが安全です。

仲介手数料は不要

競売物件の大きなメリットの一つが、不動産仲介手数料が不要であることです。通常の不動産売買では、売買価格の3%+6万円(税別)の仲介手数料がかかりますが、競売では裁判所を通じた直接取引のため、この費用は発生しません。

例えば2,000万円の物件であれば、通常なら約72万円(税込)の仲介手数料がかかるところ、競売ではゼロです。これだけでもかなりの節約になります。

ただし、入札手続きの代行を業者に依頼した場合は、別途費用が発生します。また、物件取得後の賃貸管理や売却を不動産業者に依頼する場合は、その段階での手数料が必要です。

費用シミュレーション例

具体的な数字で費用の全体像を把握しましょう。以下は、売却基準価額1,200万円の戸建住宅(固定資産税評価額:土地800万円・建物400万円)を1,500万円で落札したケースのシミュレーションです。

費用項目金額備考
落札価額1,500万円入札で決定
(うち保証金)240万円売却基準価額の20%
登録免許税(土地)12万円800万円 x 1.5%
登録免許税(建物)1.2万円400万円 x 0.3%(軽減税率)
不動産取得税(土地)12万円800万円 x 1/2 x 3%
不動産取得税(建物)12万円400万円 x 3%
リフォーム費用300万円水回り+内装のリフォーム想定
残置物撤去費用30万円家財道具の処分

このケースでのトータルコストは約1,867万円です。落札価額1,500万円に対して約367万円(約24%)の諸経費がかかる計算になります。市場価格が2,500万円の物件であれば、約600万円以上の節約になる可能性があります。

ただし、これはあくまで一例です。物件の状態やリフォームの範囲によって、実際の費用は大きく変動します。入札前には自身の条件に合わせたシミュレーションを必ず行いましょう。

費用を抑えるためのポイント

  • 入札価額を冷静に設定する:競り合って感情的にならず、事前に決めた上限額を守る
  • 軽減税率を活用する:自己居住用であれば、登録免許税や不動産取得税の軽減措置を申請する
  • リフォームは段階的に行う:一度にすべてをリフォームせず、優先度の高い箇所から着手する
  • 残置物の処分は自分でできる範囲で行う:業者に全面委託するとコストが高くなる
  • 複数の業者から見積もりを取る:リフォーム費用は業者によって大きく異なる

まとめ

競売物件の取得には、落札価額以外にも登録免許税、不動産取得税、リフォーム費用などさまざまな費用が発生します。トータルコストを事前に把握し、余裕のある資金計画を立てることが重要です。

一方で、仲介手数料が不要であること、落札価額自体が市場価格より安いケースが多いことを考えると、総合的にはまだまだお得感のある取得方法です。まずは競売の基礎知識を確認し、入札の流れに沿って一歩ずつ準備を進めていきましょう。

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