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競売物件とは?仕組みをわかりやすく解説

不動産競売の基本的な仕組み、なぜ安く買えるのか、公売との違いまで初心者向けにゼロから解説します。

読了目安 8分
結論:競売物件とは、裁判所の手続きで強制売却される不動産のこと。市場価格の3〜5割安で購入できる可能性がある一方、内覧不可・瑕疵担保なし等のリスクがあります。

競売(けいばい)とは何か

不動産競売とは、住宅ローンの返済が滞った場合などに、債権者(銀行など)が裁判所に申し立てを行い、裁判所の手続きによって不動産を強制的に売却する制度です。民事執行法に基づく法的手続きであり、一般的な不動産取引とは大きく異なります。

具体的な流れとしては、まず債権者が地方裁判所に競売の申立てを行います。裁判所は不動産の調査・評価を実施し、売却基準価額を決定します。その後、一定の期間を設けて入札を受け付け、最も高い金額を提示した人が落札者(買受人)となります。

ここで重要なのは、競売は裁判所が主導する公的な手続きであるという点です。売主と買主が直接交渉する通常の売買とは異なり、裁判所を通じて公正・透明な売却が行われます。

なぜ市場価格より安く買えるのか

競売物件が市場価格より安くなる理由は複数あります。まず、裁判所が設定する「売却基準価額」は、一般的に市場価格の7割程度に設定されます。さらに、入札の最低金額である「買受可能価額」は売却基準価額の8割です。つまり、理論上は市場価格の約56%から入札できるケースもあります。

安くなる主な理由を整理すると、以下のとおりです。

  • 内覧ができないため、購入者がリスクを負う分だけ価格が下がる
  • 瑕疵担保責任(契約不適合責任)がなく、建物の不具合は自己責任となる
  • 占有者がいる場合、立退き交渉が必要になることがある
  • 代金納付の期限が厳格で、住宅ローンの手配が難しい場合がある
  • 手続きが複雑で、一般の方には心理的ハードルが高い

裏を返せば、これらのリスクを正しく理解し、事前にしっかり調査すれば、大幅に安く良質な不動産を取得できる可能性があります。実際、近年は競売制度の改善が進み、リスクは以前より格段に小さくなっています。

競売と公売の違い

「競売」と「公売」は似た仕組みですが、根本的な違いがあります。以下の表で比較してみましょう。

項目競売(けいばい)公売(こうばい)
根拠法民事執行法国税徴収法
実施機関地方裁判所国税局・自治体
売却理由住宅ローン等の債務不履行税金の滞納
入札方式期間入札(封筒入札)期間入札またはせり売り
物件情報3点セットが充実情報が比較的少ない
物件数多い(年間約2万件)少ない

競売は住宅ローンなどの民間債務が原因で、裁判所を通じて行われます。一方、公売は税金の滞納が原因で、国税局や地方自治体が実施します。物件数は競売のほうが圧倒的に多く、3点セットと呼ばれる詳細な物件資料が提供されるため、事前調査がしやすいのも特徴です。

競売の歴史的背景

日本の不動産競売制度は長い歴史を持っています。現行の民事執行法は1979年に制定され、1980年に施行されました。それ以前は民事訴訟法の一部として競売手続きが規定されていました。

大きな転機となったのは、1990年代のバブル崩壊です。地価の暴落により住宅ローンの返済が困難になる人が急増し、競売件数も大幅に増加しました。2000年代にはピークを迎え、年間の競売申立件数は8万件を超える時期もありました。

その後、2003年の民事執行法改正で制度が大幅に整備されました。占有者の排除手続きが簡素化され、情報公開が進み、BIT(不動産競売物件情報サイト)がインターネットで公開されるようになりました。これにより、以前は専門業者しか参入できなかった競売市場に、一般の個人でもアクセスできるようになったのです。

近年は景気回復や住宅ローンの条件変更(リスケジュール)の普及により、競売件数は減少傾向にあります。その結果、物件あたりの入札件数が増え、以前ほどの「格安」ではなくなりつつありますが、それでも市場価格より安く購入できるケースは依然として多くあります。

誰でも参加できるのか

基本的に、競売には個人・法人を問わず誰でも参加できます。不動産業の免許や特別な資格は一切不要です。ただし、以下の方は入札が制限されています。

  • 債務者本人(自分の物件を自分で落札することはできない)
  • 競売手続きを妨害した者
  • 一定の条件に該当する暴力団員等
  • 代金を納付する資力がないと認められる者

上記に該当しなければ、20歳以上の方なら誰でも入札に参加できます。外国籍の方でも問題ありません。初めての方でも保証金(売却基準価額の2割)を用意し、入札書を正しく記入すれば参加可能です。

なお、入札に参加すること自体にリスクはありません。落札できなかった場合、保証金は全額返金されます。まずは少額の物件で入札を経験してみるのも良い方法です。入札の具体的な手順については、入札から落札までの流れで詳しく解説しています。

競売物件の種類

競売にかけられる不動産は多岐にわたります。主な種類と、それぞれの特徴を見ていきましょう。

土地

更地や田畑、山林などが出品されます。建物がないため、建物に関するリスク(雨漏り、シロアリ被害など)を気にする必要がありません。ただし、接道条件や用途地域の確認は必須です。建築不可の土地が競売に出されるケースもあるため、3点セットの読み方をしっかり確認しましょう。

戸建住宅

一戸建ては競売物件の中で最も人気があるカテゴリーの一つです。自宅用として購入する方もいれば、リフォームして転売・賃貸する投資家もいます。建物の状態が内覧できないため、築年数や3点セットの写真から状態を推測する必要があります。

マンション(区分所有)

マンションの一室が競売に出されることも多くあります。マンションの場合、管理費や修繕積立金の滞納がないか確認することが重要です。滞納がある場合、落札者がその債務を引き継ぐ可能性があります。また、管理組合の運営状況も可能な限り調査しておきましょう。

その他

店舗、事務所ビル、倉庫、駐車場、農地なども競売にかけられます。用途や立地によっては非常にお得な物件が見つかることもありますが、それぞれの用途に応じた専門的な知識が求められる場合もあります。

まとめ

不動産競売は、裁判所が主導する公正な売却手続きです。市場価格より安く不動産を取得できる可能性がある一方、内覧不可や瑕疵担保責任がないなどのリスクも存在します。しかし、これらのリスクは事前の調査と正しい知識があれば、十分に対処可能です。

競売に興味を持たれた方は、まず入札から落札までの流れを読んで手続きの全体像を把握し、競売物件のリスクと回避方法でリスク対策を学ぶことをおすすめします。競売・公売ポータルでは、全国の競売物件情報をわかりやすく整理して掲載していますので、ぜひご活用ください。

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