自分が住む家を競売で買うのはアリ?
結論から言うと、アリです。実際に自宅用として競売物件を購入する人は年々増えています。市場価格の6〜7割で購入できる可能性があるので、浮いた分をリフォームに回せば、通常売買と同じ予算でワンランク上の物件に住めることも。
ただし、投資用と違って「自分や家族が住む」からこそ気をつけるべきポイントがあります。住宅ローンの利用、引渡しまでの期間、占有者の有無を中心に、自宅用ならではの注意点を整理しました。
住宅ローンは使えるのか
使えます。2004年の民事執行法改正で代金納付の期限が柔軟になり、住宅ローンを利用しやすくなりました。大手銀行でも競売物件向けのローンを扱っているところがあります。
ただし、通常の住宅ローンに比べて制約はあります。審査のタイミングが難しいこと、対応する金融機関が限られること、金利がやや高めに設定されることなどです。
住宅ローンを使うなら、入札前に事前審査完了が必須。落札後のローン不可は保証金没収に直結します。
引渡しまでの期間を知っておく
今の住まいの賃貸契約更新や、子どもの転校タイミングに合わせたい人もいるでしょう。競売は通常売買と違い、引渡し日を自分で選べません。
開札から代金納付の期限まで約1ヶ月、そこから実際に住めるまでにリフォーム期間が加わります。占有者がいる場合は引渡命令や立退き交渉でさらに1〜3ヶ月。トータルで開札から入居まで2〜6ヶ月はかかると考えてください。
占有者がいたらどうする?
自宅用の購入で一番心配なのが、前の所有者や賃借人がまだ住んでいるケースです。3点セットの「物件明細書」に占有者の有無が記載されているので、入札前に必ず確認してください。
「引渡しを命じることができる」と記載があれば、裁判所に引渡命令を申し立てて強制的に退去させることが可能です。費用は申立て手数料と執行費用で10〜30万円程度。ただ、実際には話し合いで退去してもらえるケースが大半です。
住宅ローン控除は受けられる?
競売物件でも住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は受けられます。条件は通常の中古住宅と同じで、床面積50㎡以上、自己居住用、返済期間10年以上のローンなどを満たす必要があります。
年末のローン残高の0.7%が最大13年間控除されるので、ローン残高3,000万円なら年間21万円の節税。これは大きいので、条件を満たすなら必ず確定申告で申請してください。
自宅用なら住宅ローン控除、登録免許税の軽減、不動産取得税の控除と、税制優遇をフル活用できます。トータルで100万円以上の差が出ることも。
自宅用に適した物件の見分け方
自宅用と投資用では、物件選びの基準が変わります。自宅用なら以下のポイントを重視しましょう。
- 占有者なし、または引渡命令の対象であること
- 住宅ローンの対象になる物件であること(旧耐震は審査が厳しい)
- リフォーム費用を加えても周辺相場を大きく下回ること
- 通勤・通学の利便性が自分の生活に合っていること
- 周辺環境(スーパー、病院、学校など)が整っていること
まとめ
自宅用の競売物件購入は十分に現実的な選択肢です。住宅ローンも使えるし、税制優遇も受けられます。ポイントは入札前のローン事前審査と、占有者の確認。この2つをクリアすれば、マイホームを市場価格よりかなり安く手に入れられます。
ローンの詳細は競売物件で住宅ローンは使える?、占有者問題は占有者問題と引渡命令で詳しく解説しています。競売・公売ポータルで気になる物件を探してみてください。